強いメッセージ性

過激な愛国者

LDだとちょっとなあ

1932年生まれだからもう60代も後半というのにスペインのカルロス・サウラ監督はまだまだ元気。フラメンコに素材を取った作品の多い彼だが、今回はそうでない劇映画。受験に失敗して父親の稼業であるタクシー運転手を手伝い始める少女が、父親とその仲間たち、そして恋した青年までもが、外国からの移民、同性愛者、麻薬常用者たちを闇で殺害する過激な愛国者たちであることに気が付く。ドラマティックな話法でマドリードの「今」をふりかえるサウラの力技に拍手を贈りたい。撮影は前作「フラ
メンコ」に続いてのヴィットリオ・ストラー。このLDのマスターでは「フィルムで観るとさぞかしキレイだろうなぁ」と想像させる程度。なんとかしてくれ!もったいなくてしょうがない。

それにしても、内容的にはかなり過激な内容である。強いメッセージ性を感じる作品なので、何も考えずに気軽に映画を楽しみたいのだ、という気分の時にはオススメできない。

「批評」ワイドサイズ版。方式転換のために残像やにじみが目立つ。ヴィットリオ・ストラーの撮影と銘打たれている城が、あまりありがたみが感じられない画質だ。黄色人種気味に見える所が多いが、演出意図は如何。冬景色がそれらしい寒色だ。音は少し粗い程度。台詞は充分明瞭だ。